スミルノフの音楽

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スミルノフさんに久しぶりにメールを書いた。彼は 1948 年ロシアに生まれた現代作曲家である。モスクワ音楽院を卒業し,エディソン・デニソフに作曲を学んだ。Wikipedia に彼の記事がある。ご夫人も,これまた高名な作曲家エレーナ・フィルソヴァである。ちょっとしたきっかけで四年ほど前から私は,ロシアの音楽や芭蕉,プーシキンについてたびたびメールのやりとりをするようになっている。彼が芭蕉の俳句をテキストにした声とアンサンブルのための室内楽作品を作曲した際,私も芭蕉の解釈や日本語テキストの確認などで協力したりしたりもした。お礼にそのスコア初稿のほか,室内オペラやコンチェルト作品の CD をくれ,それらは私の宝物になっている。

私が彼の音楽にはじめて魅せられたのは,大学時代 1986 年のベルリン芸術週間「モスクワの今日」特集で取り上げられた彼の『四季,作品 28』である。『四季』はウィリアム・ブレイクの詩によるソプラノ,フルート,ヴィオラとハープのための室内歌曲だ。作曲家にとってウィリアム・ブレイクの詩は特別な意味をもつ。ブレイクと芭蕉は,彼の音楽作品を決定づけるくらいの意義をもっている。

その当時,ソヴィエトの無調音楽のアグレッシブな現代音楽は,当局によってブルジョワ的反体制の烙印を押され禁止されていたため,ほとんど知る機会がなかった。ベルリン芸術週間のこの特集で私はデニソフ,シュニトケ,グバイドゥーリナといったおそらく音楽史に名を残すはずの作曲家をはじめて知ったのである。そこで耳にしたロシアの現代音楽は,ひとことでいえば,寡黙で寓意に満ちており,非常に緊張した超越的な音響を特徴とする,非常な印象を残すものだった。スミルノフの『四季』はそのなかでもとくに私の印象に残ったのである。

スミルノフの音楽は,チリンギアン弦楽四重奏団やブロツキー弦楽四重奏団の演奏でレコードも出ており,輸入盤ではあるが日本でも入手可能である。

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ISAO YASUDA。システムエンジニア。神奈川県在住。昭和 30 年代を懐かしむオヤジ。ロシアに興味があります。
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Written by isao at 2006年1月22日 01:52.

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