若桑みどりの『イメージを読む』を読んだ。『ダ・ヴィンチ・コード』に触発されてしまったのである。
モナリザは生(懐妊)と死(喪服)の思想の表現であり、あの微笑はすべてを知るもののそれであるという説、胸元に描き込まれた無限蔓草紐文様の意匠に万物の連続性の表現を認める解釈など、興味深かった。
古典絵画の研究において、絵がいわんとする「思想」を探求することの必要性を著者は強く主張している。最近では形式の独自性にこだわりすぎて、その向こうにある思想やイデオロギーを本質的でないものと考えるほうがはやりだとも思われるだけに、私にはこの著者の誠実さが感じられた。


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