川崎のタワーレコードでまとめ買いした CD を聴きながら、勝目梓の『夜を往く者たち』(双葉文庫)を読む。
勝目はエロ・ハードボイルドというかエロ・ミステリの大家。エロはエロでも骨のあるエロで、結構好きな作家なのである。ところが本書は、エキセントリックな中学三年生が登場し、青少年の残忍性、心の闇がテーマになっている。私には --- 同じく中学三年生の子をもつ親であってみれば --- 重すぎて滅入ってしまう。ミステリは謎解きというよりも、期待感が面白さの本質だと私は思う。しかし最近ことに問題になっている青少年犯罪のテーマゆえか、「なぜ」が明らかになる大団円における発火のカタルシスにも虚しさが拭えない。これは作品がダメだというのではなく、作者自身の感じる虚しさなのだと思う。
CD の一枚目は、前から気になっていた佐藤聰明の『夜へ』。チェロと弦楽のための "RUIKA"、弦楽のための『夜へ』、ソプラノと弦のための "HOMA" の三曲。静謐な、癒される現代音楽。
モーツァルトのヴァイオリン・ソナタ集。ヒロ・クロサキのバロック・ヴァイオリン、リンダ・ニコルソンのフォルテピアノによるもの。私は若書きの 25 番 K.301 が昔から好きで、この演奏も午前の新鮮な光を思わす名演奏。
メンデルスゾーンとシューマンのピアノ三重奏曲集。チョン・キョンファのヴァイオリン、ポール・トルトゥリエのチェロ、アンドレ・プレヴィンのピアノという異色のトリオによる演奏。この盤は、昔カセットテープでよく聴いたんだけど、なかなか入手できなかった CD なのだ。このたび EMI の廉価盤を見つけてうれしくなってしまった。
東芝EMI (2005/12/21)
アルヴォ・ペルトの感動の "Passio domini nostri Jesu Christi secundum Joannem"(『ヨハネの伝える我らが主イエス・キリストの受難』)。ヒリアード・アンサンブルの自家薬籠中の演奏。
ユニバーサルクラシック (1992/11/26)
最後に、ポリーニによる新ウィーン楽派のピアノ作品集。シェーンベルクの全ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ウェーベルンの『ピアノのための変奏曲作品 27』が収められている。新ウィーン楽派やスクリャービンのピアノ曲は、なぜだか、私は仕事がうまくゆかないときに聴きたくなるのである。
Deutsche Grammophon (2003/02/11)





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