情報リテラシーを少しなりとも身につけた人なら LaTeX の表記を見てことさら違和感を覚えたりしない。ラテフとか、ラテックとか、レイテックとか読むことも知っているはずである。
しかし白状するが、私は最初に "LaTeX" の表記に出逢ったときは冗談かと思った。これはラテックス・コンドームの捩りだと。だから私は、あまり計算機のものごとを知らない人には、決して LaTeX については「書かない」ことにしている。
クヌースの『文芸的プログラミング』の訳者あとがきだったと思う。LaTeX のことをラテックスと表記していた。この訳者も私と同じ部類に属する方かもしれない。
余談だが、この『文芸的プログラミング』という訳には少し首をかしげてしまう。原典は "Literate Programming" であって、直訳するとさしづめ「読み書きのできる洗練されたプログラム方式」である。書物の主旨から考えても、ドキュメントとアルゴリズム実装とをプログラムソースコードに統合することを述べている。これに対し、なぜ「文芸的」などという、プログラムを一種の芸術と捉える立場を彷彿とさせる訳語を付したのか。誤解を招くのは間違いない。

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