学研から『漢字源 改訂第四版』が刊行された。大修館書店の漢和辞典を愛用する私があえてこれを購入したのは、本書が漢字の文字コードについて JIS 第一〜四水準のみならず、Unicode まで掲載しているからにほかならない。
Unicode コードポイントによれば、たとえ仮名漢字変換ソフト(IME)の力を借りずとも(Unicode 文字を支援する IME は限られている)、「鷗(コードポイント U+9DD7)」などの文字を、当該ソフトウェアがサポートしている限りにおいて取り扱うことができる。Emacs においては ucs-insert 関数で入力できるだけでなく、LaTeX においては OTF パッケージ \UTF コントロールシーケンス指定によって、素晴らしいヒラギノフォントで出力できる。よって Unicode を引くことができる辞書は LaTeX 使いにとってたいへん便利なのである。
大修館漢和辞典は JIS コードを収録するのみだったし、一方 Unicode コードポイントの調査のために使っていた芝野耕司編著『増補改訂JIS漢字字典』(日本規格協会)は文字そのものの解説がまるで貧弱であった。いわゆる漢和辞典において、字訓や漢語、四声のみならず Unicode が参照できればよいのにと私はかねがね感じていたのである。『漢字源 改訂第四版』は普及版学習漢字字典であり、税込み 3,045 円とお手頃な価格である。本書を参照するにつけても、コンピュータ書籍として出る字典は、文字コードを調べる用途でしか利用できないにもかかわらず、不当に高価で呆れてしまう。『増補改訂JIS漢字字典』は、JIS 範囲内の文字しか収録していないし、字訓を調べるにはまったく役に立たないのに 5,500 円もしたのだ。
DTP で標準になりつつある Adobe-Japan1-6 の CID 番号を掲載する漢和辞典、さらには今昔文字鏡フォントのインデキシングに採用されている大修館大漢和辞典文字番号を引ける字典が登場すれば、LaTeX ユーザにとって本当に最強の字典になると思うのだけれど、これは無理な注文であろうか。


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