ツタヤのオンライン会員になった.たまにはエッチな DVD をこっそり楽しもうかと... まずロシア映画 DVD を二枚借りた.『エスケープ---逃亡者』と『アルティメットウェポン』.どちらも B 級アクション映画といってよい.ロシアの映画というとタルコフスキイ,エイゼンシテインの芸術的作品がなんといっても筆頭にあがるとはいえ,この二本もそれなりに面白かった.
『エスケープ』はハリウッドでも製作された同タイトルのロシア・リメイク版.家族への愛はどこの国の映画にもよくあるモチーフだけど,ロシアでは血縁のない子供 (妻の連れ子や貰い子) を肉親のように愛するという趣向が特徴のように思う.主人公がヘリコプターから湖に投身しながら無傷で逃げおおせるといった非現実的筋書はご愛嬌ということで.
『アルティメットウェポン』は,視力を失ったボクサーが恋人ビーカと彼女の弟とともに警察とマフィアに追われながら身の潔白の証明を果たす物語.女主人公はかつての麻薬中毒者でありながら,同時に眼科医であり,アレクサンドル・ブロークの詩の熱烈な愛好家である.そんな役どころに,私はロシアならではの彫の深さ,音域の広さを感じる.弟の口にする「祖国か死か」という台詞はこれまたロシアの伝統的な発想である.ビーカの朗誦するブロークの美しい詩を手元の選集で探り当てた.1905 年,ブローク初期の詩の冒頭二節である.
Ты проходишь без улыбки,
Опустившая ресницы,
И во мраке над собором
Золотятся купола.
Как лицо твое похоже
На вечерних богородиц,
Опускающих ресницы,
Пропадающих во мгле...
おまえは微笑むこともなく
通り過ぎようとする まつげを伏せ
そして伽藍の上の暗闇に
円蓋が金色に光る
おまえの顔はなんと似ていることだろう
夕べの聖母たちに
まつげを伏せて
靄の薄暗がりに消え行こうとする...
世紀の黄昏,悲劇的予感にみちた,幻のような「永遠の女性」の姿である.円蓋が金色に輝く風景は詩人の幻想において靄の闇に溶け失せて行く...「まつげを伏せ」という詩句にびびびっと来る.脚韻のない四脚強弱格韻律だけれども,タタタータ・タタタータ女性韻行の繰返しと,詩節を終結させるタタタータ・タタター男性韻行とからなる独特のリズム.
これは亡くなられた小平先生の訳業のひとつである.詩人鷲巣繁男との共訳のブローク『薔薇と十字架』もロマンチックな演劇である.大学時代,小平先生とトゥイニャーノフを読んだのが懐かしい.
本当に久しぶりに UNIX 情報誌『Software Design』を買った.書店の雑誌コーナーをぶらついていて,FreeBSD 7.0-RELEASE 特集記事に目が留ったからである.最近 PC-UNIX は Linux 全盛であって,FreeBSD 使いは肩身の狭い思いをしているんじゃないかと思う.Firefox で Adobe Reader と Flash Player のプラグインを導入する解説が役にたった.
FreeBSD は 7.0 で ZFS ファイルシステムをサポートしたようである.Mac OS X の標準である HFS ファイルシステムの FreeBSD 正式サポート (5.3-RELEASE でローカルなドライバが公開されていた) は,個人的に iPod の接続で期待していたのだけれども,残念ながら果たされていない.一方,Mac OS X Leopard も ZFS を実装したので,iPod が ZFS でも利用できるようになるほうが早いかも.そうなれば Mac OS X iTune と FreeBSD Amarok とで iPod を共有できるんじゃないかと想像する.

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