会社のかつての上司が「机のなかから出て来た」と言ってさる顧客が作った業務用語集をメールで送ってくれた。紙の資料をスキャンして PDF にしたファイルであった。多くのサブシステムからなる大規模システム開発では,プロジェクト要員の間で用語の意味を限定するために用語集を作ることがよくある。でもこれは用語集といっても,このお客さんが酔狂で作った「業務冗語集」である。もう十年以上前のものである。
「EWS」の項をみると — EWS (Engineering Work Station):XXX業務端末として使われている EWS4800 (注:日本電気製 UNIX ワークステーション)。また麻雀ゲーム機。このため,EWS は "East, West and South" の略との説もある。その名のとおり北家がなく,コンピュータが東家,南家,西家の役をすべて独りでこなしてくれる。
また「C」の項では — C 言語 (C language):「C」をするときに用いる言語 (注:初心者向け解説書として『はじめての C』が出版されている。これはそのエッチな表題のため本棚に並べられないと批評されている)。キスの際に用いる B 言語 (Body language) を改良して完成したもの。C++ (C plus-plus language) は子供まで生成できる C 言語のスーパーセットである。
このようなコンピュータ用語,業務用語を捩った項目が9頁にわたってしるされていた。これ以外の傑作用語をここにあげられないのが残念である。この「用語集」を読みながら PC に向かってクスクス笑っていた私はたしかに仕事をさぼっていたことになるんだけど。仕事の合間にこのようなジョークを作ってこっそりプロジェクト担当者を笑わせてくれるひともいたのである。システム開発の修羅場に現場のジョーク集。「一将功成りて万骨枯る」のみにあらず。「印刷不可」と言い添えて,親展属性メールで子分にも転送してやった。
